林兵庫は代々妻沼(現在の熊谷市妻沼町)の地にあって宮大工棟梁として活躍した家であり、特に歓喜院聖天堂の再建造営で知られる。本研究では林家の子孫である林千恵子家および妻沼林家の両家に残された史資料(絵図・文書)を調査し、林兵庫一門の建築技法を体系的に明らかにするものである。 2021年2月および8月の調査により、両家に残る史資料を撮影し、全体像を把握し、分析をおこなった。またその中で「三峯山仁王御門木取帳」「秩父郡三峯山仁王御門仕様寸法覚」は兵庫の代表作である三峯神社随身門(旧仁王門)の史料である。三峯神社において現存遺構を実測調査し、史料記載との比較検討を実施した。
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