研究課題
基盤研究(C)
大気圏突入時に宇宙機が経験する過酷な空力・輻射加熱環境における熱化学非平衡性や輻射熱輸送に関して本研究では、従来法の代替となり得る実物理過程に即した新たな解析モデルを創設・提案することを目的とした。アーク加熱風洞気流の数値解析を実施し、供試体へ入射する輻射スペクトルを比較検証し、従来法よりも優れた精度を得ることを確認した。これまでに得られた研究成果をまとめ、オンライン開催された国際会議や国内学会にて発表報告した。
非平衡性を伴う流れの数値シミュレーション
宇宙空間から地球大気圏へ突入するカプセル宇宙機が溶融することなく地上まで帰還するためには、厳重な熱防護設計が不可欠となる。突入時の安全対策に万全を期すため、カプセル前面に熱防護材が装備されるが、これは非常に重い。高重量な熱防護材の重さを軽減できれば、ロケット打ち上げ時に搭載する実験機材や人員を増やすことにも繋がり、将来の宇宙探査の可能性をさらに広げる。本研究では、カプセルまわりの過酷な加熱環境と、壁面入射する強烈な熱負荷を高精度に予測できる次世代の数値解析手法を構築提案した。