研究課題
基盤研究(C)
本研究では無人機の翼を対象として、光ファイバセンサにより飛行中のひずみ分布を測定し、その情報を用いて揚力分布を同定する技術を構築した。さらに、同定された揚力分布や風の向きをもとに、構造負荷をリアルタイムで低減する制御技術を構築した。同定や制御には、それぞれ機械学習、深層強化学習により生成したニューラルネットワークを適用した。また鳥のように変形する可変翼を設計・製作し、変形による空力特性の変化を検証した。これら技術は風洞試験によりその成立性・効果を実証した。
航空宇宙工学
構造負荷低減という、より高次な構造運用目的に対して深層強化学習を適用する好例を示せた。とりわけ「構造状態をセンシングし、飛行環境を認識し、それに合わせて制御する」という体系的なシステムとして技術統合しており、知能的な構造運用の技術体系を提案できた。可変翼によるより豊かな空力表現・活用も含めて、風洞試験により実証できたことで、実用性のある工学的知見となった。