研究課題
基盤研究(C)
本研究は、有人探査が困難で無人機が本質的に活躍する「極限探査」の自在な実現のために、生物の脳神経のふるまいを模倣したニューロモーフィックなプロセッシング(スパイキングニューラルネットワークなど)や、視神経を模したニューロモーフィックなセンサ(対象の輝度変化を非同期的に出力するイベントカメラなど)を探査機上の着陸航法処理に導入し、高速応答性や低消費電力などの観点で従来技術とは不連続かつ革新的なメリットを供し得ることを実験的に示した。
航空宇宙工学
生物学的なコミュニティにより研究が進められてきたニューロモーフィックな技術を、宇宙探査機のオンボード処理に成功裏に適用した本研究成果は、未踏領域への極限探査を可能にし、人類のフロンティアを開拓することに貢献するという学術的意義のみならず、低リソース動作という観点でニューロモーフィック技術と本質的に親和性のあるアプリケーションを拡大し、IoT分野などの低消費電力での動作が必要となる民生技術/社会インフラへの波及を促進するという点で、社会的な意義も極めて高い。