燃料に含まれる硫黄分がすす粒子に及ぼす影響について評価するため,燃料に硫黄化合物を添加した定常な層流拡散火炎を形成し,火炎内におけるすす粒子特性を解析した.硫黄化合物として,気体燃料には二酸化硫黄(SO2)と二硫化水素(H2S)を添加し,液体燃料にはベンゾチオフェン(C8H6S)を添加した. その結果,硫黄化合物が含まれる燃料を拡散燃焼させると,すす粒子の濃度や一次粒子径,すす粒子を構成する炭素結晶子サイズが減少することを明らかにした.燃料中の硫黄分が火炎内でSO2あるいはH2Sに転化し,すす粒子あるいはすす前駆体であるPAHと反応することですす粒子特性が変化することが示唆された.
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