研究課題/領域番号 |
19K04870
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
小野 正夫 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80399526)
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研究分担者 |
城田 英之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40344238)
藤田 勇 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (40360763)
馬 驍 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10825920)
亀山 道弘 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40373427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 油処理 / 重油のエマルション化 / 重油の粘度変化 / 重油の流動性 / 高圧ジェット |
研究実績の概要 |
高圧ジェットによる高粘度物質の微細化及び流動化促進技術として、重質油(C重油)に対し界面活性剤及び油処理剤、水の3成分分散混合系のエマルション化による粘度変化について基礎的な実験を実施した結果、ある領域ではW/O(Water in Oil)型エマルションからO/W(Oil in Water)型エマルションへの転移現象が発生し粘度が急激に低下する現象について明らかにすることができた。この実験結果を基に実用化に向けた応用的な実験として、配管移送時における重油のエマルション化による流動特性の変化について調べた。実験においては、移送ポンプで重油を一定速度で移送し、その移送配管中に水及び界面活性剤との混合液を高圧ジェットで噴射してエマルション化を発生させる箇所を設けて、その設置個所の前後における重油の圧力の差圧の変化を調べてエマルション化による粘度低下の有効性について検討した。その結果、ノズル形状、噴射量、噴射圧等を変化させても先の実験結果と同様な重油のエマルション化の発生には至らなかった。このため高圧ジェット噴射後の配管に高回転の攪拌用ポンプを設けて分散させることでエマルション化が可能になり流動性は向上した。今後はコロナ感染予防の対策として実験延期した実施途中の実験の継続して実施し結果について検討する。また、新たにタンク内における高圧ジェットを利用した重油のエマルション化と回収技術についての基礎実験装置を製作し、実験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに、重油・水・界面活性剤の3成分混合系によるエマルション化によってW/O型エマルションからO/W型エマルションへの転移現象が発生し粘度が急激に低下する現象について明らかにすることができた。この結果を基に実用化に向けた実験して、重油の配管移送中に水及び界面活性剤との混合液を高圧ジェットで噴射し、重油をエマルション化させることで粘度を低下させて重油の流動性向上を図る実験を実施した。重油の流動性については配管に設けた圧力計の差圧によってその変化を調べた。その結果、3MPa程度の水及び界面活性剤との混合液の高圧ジェット噴射では重油のエマルション化が難しいため高回転のポンプを攪拌用に改良して追加することでエマルション化が可能になることが分かった。実験としてはさらなる高圧ポンプ及び攪拌用のポンプが必要と考えられるが予算的に難しいため本試験装置で試験を実施した。しかし、コロナの感染拡大の影響もありその予防対策として実験を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの感染状況、非常事態宣言の発令状況にもよるが、昨年度に実験を延期した重油の配管移送中に水及び界面活性剤との混合液を高圧ジェットで噴射し、重油をエマルション化させることで粘度を低下させて重油の流動性向上を図る実験を引き続き実施しその結果について検討する。また、今年度は研究所内の既存の装置等を用いて新たに高圧ジェットによる重油タンク内でのエマルション化と回収技術の関する簡易な実験装置を製作し、基礎実験を実施し結果出す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験がコロナ感染予防対策として延期にしたため実施できなかった。また実験結果に伴い実験装置の改良が必要になったが予算的に不足が生じたため次年度分の予算に追加することにした。
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