研究課題/領域番号 |
19K04871
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
白石 耕一郎 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40586591)
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研究分担者 |
金丸 崇 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90612127)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | キャビテーション / 三次元形状計測 / 理論計算 / キャビティ形状計測 / SQCM(パネル法) / 多視点型ラインセンシング法 |
研究実績の概要 |
本研究では,界面が不安定な三次元形状を計測可能な多視点型ラインセンシング法を開発し,本計測法を用いてシートキャビテーション,翼端渦キャビテーション,翼端部クラウドキャビテーションの形状計測が可能なキャビティ形状計測法を構築することを目的としている。また、本計測結果を用いた理論計算法の高精度化も目的としている。 今年度は、多視点型ラインセンシング法の理論および計測法の構築のため、文献調査、計測理論の整理、そして計測アルゴリズムの開発を行った。また、多視点型ラインセンシング法を計測システムの開発を行った。 理論計算法の高精度化に係る研究として、現行の計算法の精度検証のため、系統的な幾何形状を有するプロペラに対するキャビテーション試験の文献を引用し、これらのプロペラのキャビテーション計算、及びこれに誘起される変動圧力計算の結果との比較により、理論計算がプロペラ幾何形状の差異による影響をどの程度捉えているかについて調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多視点型三次元形状計測法について文献調査を行い、計測法の整理を行った。その結果をもとに、多視点型ラインセンシング法の計測アルゴリズムを構築した。また、回転毎のキャビティ形状の変動を計測するために、計測プログラムの改良を行った。ラインCCDカメラを6台に増強し、多視点型ラインセンシング法に対応した計測システムの構築を行った。749型内航船用プロペラの模型プロペラ(φ240mm)を対象にキャビティ計測を行い、新しいシステムに対応した計測プログラムのブラッシュアップを行った。理論計算については、プロペラ翼の厚さ、キャンバー、プロペラ翼数について系統的に変化させた計算を実施し、文献による試験結果と比較した。キャビテーションパターンについては、全てのケースについて良好な結果が得られた。また、変動圧力についても、幾何形状の変化による差異を計算で定性的に捉えられることが可能であることを確認した。しかし、理論計算は全体的に変動圧力を過小評価する傾向があり、また、幾何形状による差異も小さく評価することが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
多視点型ラインセンシング法に対応した計測システムを用いて、模型プロペラの形状計測を行い、計測精度の検証とシステムのブラッシュアップを行う。その後、実際に模型プロペラに生じるキャビテーションの形状計測を実施し、システムの有効性の検証を行う。 理論計算については、理論上の簡易化を極力廃し、より厳密なモデル化でキャビテーションを解くことを試みる。また、翼端部のキャビテーションについても変動圧力に有意な解が得られるようモデルの改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に水槽試験で計測システムの検証を行った後、計測システムの改良を行う。そのため、今年度の計測システムの構築費用の一部を次年度に持ち越している。
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