| 研究課題/領域番号 |
19K04878
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
後藤 美香 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50371208)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 経営効率性 / エネルギー企業 / 技術獲得 / 事業買収 / イノベーション |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、自由化後の電力企業およびガス企業のイノベーション創出への取り組み（インプット）と成果（アウトプット）を再定義し、新たな経営効率性評価手法の提案と応用について研究するものである。イノベーション創出の実態に即した効率性の評価と時間的変化ならびに技術進歩を捕捉する方法を発展させる。
2021年度は欧米の大規模エネルギー事業者に焦点を絞り分析を行った。欧米のエネルギー企業を取り巻く事業環境の変化と経営動向を机上調査により実施するとともに、大規模事業者がどのような新規事業（ベンチャー、スタートアップ）に投資をしているのかを整理した。自由化後の欧米の大規模エネルギー企業では、イノベーション創出の一貫として、新規事業投資や事業買収などを通じた技術獲得やビジネスモデルの変革が進んでいるものの、それに関連した経営効率性の研究は限られており、それらの動向が経営効率性に及ぼす影響は明らかにされていない。この点を踏まえ、欧米の大規模事業者に関する経営効率性の計測とデータの更新を行うとともに、新規事業の買収・売却が経営効率性に及ぼす影響の分析を行い論文の執筆を進めた。また効率性評価のためのDEAモデルの改良については、他産業への応用も含めたモデルの有効性、実用性の検証を行うとともに、企業の定性的経営情報のデータベース化の拡充を行い、定量化・指標化のための考察と作業を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
欧米の大規模エネルギー事業者に焦点を絞った経営効率性の分析はおおむね順調に進展している。欧米におけるエネルギー企業を取り巻く事業環境の変化と経営動向に関する机上調査を継続的に実施し、情報の更新を行うとともに、大規模事業者がどのような新規事業（ベンチャー・スタートアップ）に投資をしているのか、経営戦略との関連を考察しつつ情報の整理・分析を行うことで、ビジネスモデル変革への示唆を検討した。欧米の大規模エネルギー事業者に関する経営効率性の計測とインプット、アウトプットデータの更新、技術獲得やイノベーションのための新規事業の買収・売却が経営効率性に及ぼす影響の分析を行い、分析結果のとりまとめと論文執筆をほぼ完了している。効率性評価のためのDEAモデルの改良と他産業への応用検証も行った。定性的情報の活用については、テキスト分析から得た情報を効果的に取り込む方法について考察を継続し、使用可能な情報の統合方法について試行することで、モデルへの実装に向けた一定の方針を得た。
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| 今後の研究の推進方策 |
欧米の大規模エネルギー事業者データを用いた経営効率性の計測と分析を完了し、研究成果の外部への公表と情報発信を進める。イノベーション創出の一貫として、新技術の獲得、ビジネスモデルの更新・変革を目指し、大規模エネルギー事業者がこれまでに実施してきた新規事業の買収・売却・投資が、それら企業の経営に及ぼす影響について、DEAによる経営効率性分析と回帰分析に基づく一連の成果を得ている。それらを論文として完成し国内外の学会発表および学術誌への投稿プロセスを完了する。効率性評価のためのDEAモデルの改良と、定性的情報を効果的に取り込み統合的情報として活用する方法については引き続き検討を行い、モデルへの実装と応用分析の拡張を目指す。効率性評価のためのデータベースの構築も継続しながら新たなDEAモデルの有効性、実用性を検証する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
主にコロナ禍の影響による国際学会発表延期のため次年度使用額が生じている。状況を注視しつつ研究実施に必要な経費使用を進める。
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