研究課題
基盤研究(C)
本研究では,ポートフォリオ運用におけるリターン予測モデルと最適化手法の組合せと,事後的なパフォーマンスの関係を分析した.さまざまな投資対象資産に対する実証分析の結果から,分布の非対称性や時変性などリターンの統計的特性をより正確に表現できるモデルを用いることで,リスクセンシティブな評価尺度が改善することを確認した.また,リターンの非線形的な自己相関や中長期的なトレンドを取り込むことでも,ポートフォリオパフォーマンスが改善する可能性が示唆された.
金融工学
ポートフォリオのパフォーマンスはシャープレシオで評価することが多いが,最適化する段階では異なる尺度を用いることが多く,一貫したフレームワークになっていない.本研究では,リターン予測や最適化のモデルと事後的なパフォーマンスの関係を幅広く検証することで,パフォーマンスを改善するためのポートフォリオ構築手法を提示している.これらの結果は,投資戦略のリターン予測や最適化の高度化に資するものであり,またポートフォリオ運用実務に有用な知見を与えるものと考えられる.