• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

長寿デリバティブによる年金基金のリスクヘッジの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 19K04912
研究機関法政大学

研究代表者

浦谷 規  法政大学, 理工学部, 教授 (80126268)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード年金のリス管理 / 金融デリバティブ / 再保険 / 保険リンク債券
研究実績の概要

長寿社会を支える年金基金制度は積立資金のリスク管理が重要である。世界全体で20-30兆ドルと推定される積立資金は人口構成の変化と経済変動から大きなリスクにさらされている。本研究は従来の保険理論の上に、金融工学の新しいリスク管理手法の適用を検討することが基本的研究課題である。2019年度では担保付き再保険(Collateralized reinsurance)という従来の再保険というリスク管理の仕組みに金融工学的方法を追加した仕組みを解析的および数値解析に明らかにした。その経過報告は次の研究報告である。
[ 1 ] "Insurance Linked Security : CAT bond vs Collateralized reinsurance" EURO 2019 Dublin 2019.6.24-26 アイルランド ダブリンにおいて開催された EURO 2019の研究発表である。これは担保つき再保険とCatastrophe Bond ( 大災害債 )との比較において、そのリスク管理上の特徴を比較した。
[ 2 ]「保険リンク債と再保険モデル」FMA 2019 同志社大学 2019年9月20日 同志社大学で開催された「ファイナンスの数理解析とその応用」研究会では一般的な保険リンク債と再保険のリスク管理上の比較を行った。再保険という伝統的な巨大な損失管理に担保をつけることによって、保険会社のリスク負担を細分化することを可能にするが、その評価の市場機能の役割を制度化する必要があることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年金基金のリスク管理における長寿デリバティブと競合するか、補完するかと考えられる担保付き再保険(Collateralized reinsurance)という従来の再保険というリスク管理の仕組みに金融工学的方法を追加した仕組みを解析的および数値解析に明らかにした。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスの影響は金融市場に大きな影響を与えることが予想される。年金収入に依存する世代は大きなリスクに晒されかねない。
理論的には保険会社の信用不安、政府財政危機から予想されるHyperInflationなど、通常の状態では想定しない状況のリスクを分析に加えなければならないかもしれない。
基本的には研究計画にある通りの長寿デリバティブを用いた年金基金の長寿リスク最小化を行うが、ポートフォリオに組み込む資産の範囲を広げて、現実に発生した困難な状況に対処できるかを考察する。

次年度使用額が生じた理由

2020年3月に予定していた海外研究発表が渡航禁止状態になり実施できなかった。
2020年度は計画していたいくつもの国際学会が延期になっており、現在計画があるのは9月の同志社大学における
FMAであり、他は未定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Insurance Linked Security: Cat Bond vs Collateralized reinsurance2019

    • 著者名/発表者名
      T. Uratani
    • 学会等名
      EURO2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 保険リンク債と再保険モデル2019

    • 著者名/発表者名
      浦谷 規
    • 学会等名
      FMA 2019
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi