研究課題/領域番号 |
19K04918
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
平野 健次 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 教授 (30648928)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多仕様製品 / 統合工程部品表 / ものづくりマスターデータ / 深層学習 / 非計画的アプローチ |
研究実績の概要 |
研究計画調書に記述した本研究の目的を達成するために,①の研究については,2019年度に確立した拡張仕様組合せ表現方法に基づき,製品仕様の複数のパターンを考慮したマスターデータの可視化を進めると共に,②のa.仕様の確定と価格の見積もりに関する研究については,深層学習によって類似の製品仕様を推奨する方法と,AIチャットボットによって用途・使用条件を確定する方法を提案した.また,提案した方法に基づき,実際のシステムによる実現に向けた開発に着手した.具体的には,最初に,顧客が選択する製品仕様を用途・使用条件として取扱い,①の研究で確立した拡張仕様組合せ表現方法の利用により,用途・使用条件を受注から生産段階まで扱えるようにした.次に,用途・使用条件の組合せ情報を生産実績として蓄積し,新たな仕様の問合せに対して,仕様の確定に参考となる類似の製品仕様を推奨する方法を提案した.②のb.納期回答と先行手配については,AI/BRMSにより緊急度や重要度を決定し,CTPを用いて納期回答を行う手順を確立し,③のc.仕様に応じた設計図面の自動生成についても,顧客から要望のあった仕様を利用して図面を自動生成する手順を確立した.そして,提案方法の手順を用いた場合の業務簡素化の効果について検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究が順調に推移している理由は,早い時点から当該研究テーマに取り組み,学士課程や修士課程の卒業研究にも取り入れて組織的に取り組んでいること,外部からの支援も適切に得られているなど,科研費による研究環境を計画どおり維持できている点が挙げられる.さらに,2021年度の研究についても,2020年度に執筆した論文をもとに準備が終了しており,すでに研究に着手できている点も挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の研究については,計画調書に記述した①のマスターデータ構築に役立つ基本的な仕様の確立に関する研究と,②の多仕様化に対応する業務の簡素化に関する研究をまとめ,研究目的の達成を目指す.①については,製品仕様の可視化表現方法の継続的な改善を行い,②の研究については,特に②のa.の研究において,問合せに対するAI学習モデルの推奨能力の向上について追求する.また計画調書に記述した③の研究として,提案方法を企業に適用するとともに,教育訓練教材の開発と,開発する教材を大学の授業および社会人教育に反映する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度の後半と同様,コロナ感染症の拡大により,対面による学会が中止となり,旅費の執行が発生しなかったこと,外部からの協力者が緊急事態宣言を理由に来校を辞退されたことがあげられる.しかしながら,2020年度の学会はオンラインで開催されたため,当初の予定どおり,学会に3回参加でき,7本の論文発表を行うことができた.また外部の協力者とはオンラインでの打合せを積極的に行うことにより,研究を推進することができた.学会については,2021年度もオンライン開催が続くと予想されるため,機会を捉えて積極的に参加する予定である.
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