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2019 年度 実施状況報告書

穿刺自動化を目指した熟練透析スタッフに内在する状況認識スキームの顕在化とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K04933
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

鈴木 聡  神奈川工科大学, 工学部, 教授 (20586028)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード血液透析 / エコーガイド / 穿刺 / ハンドリング / 状況認識 / 自動プローブ把持 / 自動穿刺 / 在宅透析
研究実績の概要

末期腎不全患者を延命させる週3回の血液透析では、患者の血液を体外循環させるため毎回血管への穿刺を2本行う必要がある。近年、エコーガイド下穿刺が導入されつつあるが、スタッフへの教育の仕組み は発展途上である。この穿刺法は通常の穿刺タスクに加え、エコープローブのハンドリングや画像の理解といった技能的・認知的に負荷が高いタスクが追加されるため、修得に時間を要する。この操作のコンピテンスを明確化し、教育へフィードバックすることや、将来的には熟練者 の特徴を体系化し穿刺ロボット開発へ繋げ、在宅透析を普及させるなどの取り組みも必要で ある。本研究はその基盤構築として、穿刺の上手いスタッフが穿刺行為を成功させるプロセスに利用しているスキルについて顕在化し、その枠組みを医療スタッフ への教育や、穿刺自動化のための要素技術に応用させる方法論について検討するものである。
3年計画の1年目は研究協力先医療施設の倫理手続きとデータ採取の着手を予定しており、3ヶ所の外来血液透析施設に協力いただき、臨床におけるエコーガイド下穿刺のプローブ操作に対する空間座標データ(モーションキャプチャ)採取を始めている。
年度末の2月からCOVID-19の影響でデータ採取が中断されており、現時点で再開の目途が立っていないことから、研究2年目の遂行が危惧されるが、1年目の部分としては概ね予定通りで、これからデータ採取を本格化させ、分析に耐えるデータ採取を行いたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究着手前に研究主幹施設(研究代表者の所属する施設)における倫理承認は得ていたが、臨床におけるデータ採取にあたり、各医療施設における倫理審査を要する場合はその手続きをする計画であり、実際にデータ採取に着手できたのは早い施設でも11月下旬であった。しかし時間を要することは想定されていたため、初年度の進捗は予定通りと考えている。

今後の研究の推進方策

研究初年度末までは概ね計画通りであったものの、COVID-19は想定外で影響度が極めて大きい。本報告書作成時において緊急事態宣言は5月6日までであるが、それ以降も医療業界には多大な影響が残ることが容易に想定される。感染拡大防止の観点から、緊急事態宣言が解除されても当分の間は研究目的で医療施設を訪問することは自粛すべきと思われ、慢性透析患者(基礎疾患を有し、多くは合併症もある)との濃厚接触は回避しなければならないと考えている。本研究の計画時点では、ある程度パフォーマンスデータが収集された段階で分析し、パフォーマンスの分類を行ったうえで医療スタッフに対する主観調査を実施して対応を取る計画であった。医療施設を訪問しなくても主観調査の実施は可能と思われることから、研究手順の再構築を検討し、穿刺コンピテンスの顕在化を図っていく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 穿刺針の角度変化から見た施設間の穿刺パフォーマンスの特徴2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 駿,西村健桃,鈴木 聡
    • 雑誌名

      日本血液浄化技術学会誌

      巻: 27(2) ページ: 268-269

  • [学会発表] 穿刺技能評価の方法論に対する多面的アプローチ2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木 聡
    • 学会等名
      第27回東京都臨床工学会 学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 機種の異なる超音波診断装置によるFlow Volume測定値の違い ~ファントムを用いた検証~2019

    • 著者名/発表者名
      安部貴之, 鈴木雄太, 日吉麻由美, 鈴木 聡, 石森 勇, 村上 淳, 花房規男, 峰島三千男, 新田孝作, 土谷 健
    • 学会等名
      第7回 看護理工学会学術集会
  • [学会発表] モーションキャプチャを用いた透析施設間における穿刺ハンドリング相違の顕在化2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木 聡,西村健桃
    • 学会等名
      第64回日本透析医学会学術集会・総会 ワークショップ7
  • [学会発表] VA管理標準化のための課題 ~機種の異なる超音波診断装置による上腕動脈流量測定値の違い~2019

    • 著者名/発表者名
      安部貴之, 新田孝作, 土谷 健,鈴木 聡
    • 学会等名
      第64回日本透析医学会学術集会・総会 一般演題

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公開日: 2021-01-27  

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