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2021 年度 実績報告書

穿刺自動化を目指した熟練透析スタッフに内在する状況認識スキームの顕在化とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K04933
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

鈴木 聡  神奈川工科大学, 健康医療科学部, 教授 (20586028)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード穿刺 / エコーガイド / モーションキャプチャ / バスキュラーアクセス / 状況認識 / 技能 / 脳血流
研究実績の概要

慢性透析患者全体に対し在宅血液透析を行っている患者はわずかである。この要因は複数あるが、穿刺作業の困難さが大きな要素である。穿刺技能習得の容易化や、将来的には自動化を目指し、その基礎研究として、「うまくいく穿刺」に共通する特性を明らかにしてきた。穿刺モデルを利用した実験的検討ならびに臨床的検討を通じ、モーションキャプチャによる穿刺針の動きや、エコーガイド下穿刺におけるプローブの動きを捉える検討を行った。また、臨床的検討ではNIRSを用いて穿刺作業中の前頭前野の脳血流変化を捉える検討を行ってきた。
穿刺針の動きで特徴づけられたのは穿刺針と水平方向(概ね表皮)の角度変化で、熟達度より施設間で顕著だった。また、エコープローブの動きでは、患者短軸(水平の左右)方向の加速度において、熟練者と初学者で異なる傾向であった。認知活動の指標である前頭前野の脳血流については、エコーガイド下穿刺の場合はタスクに関わらずエコーのモニタへ視線を向けている時に最も変化するのに対し、エコーを用いない通常の穿刺では、触知ではなく穿刺操作を行っている間の変化が大きい傾向であった。さらに穿刺が難航している時には変化が大きくなる傾向も観察された。エコーガイド下穿刺は多くの場合穿刺とプローブ操作を一人で同時に行うが、2人でそれぞれの操作を行う方法もあり、この場合は多重タスクではないものの意図の一致が問題になると思われる。本研究では十分できておらず、これについても検討する必要がある。エコーを用いると直接見ることができない体内が一部把握できるが、全体として熟練者はエコーに頼りすぎずに状況を把握していると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] モーションキャプチャを用いたエコーガイド下穿刺におけるプローブ軌跡の可視化とその特徴2021

    • 著者名/発表者名
      川崎路浩,鈴木 聡
    • 雑誌名

      日本血液浄化技術学会誌

      巻: 29(1) ページ: 15-24

    • 査読あり
  • [学会発表] 穿刺自動化を目指した熟練者の穿刺ハンドリングに対する特徴の特徴の顕在化2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 聡,秋山圭太,川崎路浩
    • 学会等名
      第25回日本透析アクセス医学会学術集会・総会ワークショップ3
    • 招待講演
  • [学会発表] 2人法エコーガイド下穿刺におけるプローブ軌跡から見た熟達度評価の一考察2021

    • 著者名/発表者名
      秋山圭太,鈴木 聡,川崎路浩
    • 学会等名
      第25回日本透析アクセス医学会学術集会・総会 一般演題
  • [学会発表] 透析用血液回路に対する各種固定テープの粘着力比較 ~せん断方向への粘着力~2021

    • 著者名/発表者名
      小宮翔喜,鈴木 聡
    • 学会等名
      第25回日本透析アクセス医学会学術集会・総会 一般演題
  • [学会発表] 超音波診断装置の機種間における流量測定値の違いと標準化への解決策2021

    • 著者名/発表者名
      安部貴之,鈴木雄太,鈴木 聡,石森 勇,村上 淳,花房規男,市場晋呉,土谷 健,新田孝作
    • 学会等名
      第25回日本透析アクセス医学会学術集会・総会シンポジウム3
    • 招待講演
  • [学会発表] エコーガイド下穿刺における視覚情報から見た空間的注意配分の推定と評価への期待2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 聡,川崎路浩
    • 学会等名
      第59回日本人工臓器学会大会,ワークショップ4
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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