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2019 年度 実施状況報告書

微視的ならびに巨視的な歩行者挙動計測データに基づく歩行者行動モデルの高精度化

研究課題

研究課題/領域番号 19K04936
研究機関関西大学

研究代表者

川口 寿裕  関西大学, 社会安全学部, 教授 (80234045)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード群集事故 / 歩行者シミュレーション / 歩行者行動モデル / 視点追跡 / 歩行位置
研究実績の概要

関西大学高槻ミューズキャンパス内において、関西大学社会安全学部の1年生から4年生の学生146名を対象に、通路上の障害物回避行動の実験を行った。キャンパス内の通路中央に障害物を設置し、被験者が障害物の左右どちら側に避けるかを観察した。その際、被験者にアイトラッカー(Tobii Pro グラス2:2019年度予算で購入)を装着させ、視点追跡も行った。
その結果、左右の避け方について有意な差は出ないことがわかった。ただし、障害物を避ける側に視点が集中することは確認できた。
次に、大阪府高槻市芥川商店街における歩行者274人を対象として、通路のどの位置を通行するかを観察した。なお、歩行位置が外的要因の影響を受けないようにするため、観察は脇道がない区間で行い、単独で歩いている歩行者のみを対象とした。さらに、全ての店が閉店している夜中に観察し、前方に他の歩行者が歩いている場合は観察対象から除外した。
その結果、歩行者の歩行位置は有意に左寄りであることが確認された。すなわち、特に外的要因がなければ、歩行者は自然に左寄りを歩行する傾向があることが示唆された。このことが、比較的混雑した状況で歩行者の流れが自然に左側通行になる原因であると考えられる。この知見を安全で快適な歩行者空間の設計に組み込むことが必要である。
数値モデルに関しては、マルチエージェント・モデルとフロアフィールド・モデルを組み合わせた歩行者シミュレーションの基本コードを完成させた。フロアフィールド・モデルにおいては、静的フロアフィールドと動的フロアフィールドのパラメータを調節することで、平日と休日とで挙動が異なる様子を模擬できるモデルにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歩行位置を決定する要因に関して、2種類の実験・観察を実施することができた。その際、2019年度予算で購入したアイトラッカーを活用することができた。被験者の数がまだ少ないが、現段階としては順調と言える。
数値モデルについても順調に開発が進んでおり、基本的なコードがほぼ完成した。様々なケースに応じた変更等は必要であるが、比較的応用の利くモデルになっていると思われる。

今後の研究の推進方策

実験・観察については、引き続きデータを増やしていきたい。ただし、新型コロナウイルスの影響で現段階では全く実施の見通しが立っておらず、今後の進展についてはやや不安を感じている。
数値モデルについては基本的には新型コロナウイルスの影響は受けないため、各種のケースに応じたコード開発を進めたい。ただし、計算結果の検証には実験・観察結果が不可欠であり、その点では不安も残る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 鉄道駅自動改札機配置設計の数値モデル2019

    • 著者名/発表者名
      川口寿裕・松谷智香子
    • 雑誌名

      第25回交通流と自己駆動粒子系シンポジウム論文集

      巻: 25 ページ: 5-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 医薬品製剤開発のための次世代微粒子コーティング技術《普及版》2019

    • 著者名/発表者名
      市川秀喜 監修
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • ISBN
      4781313795

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公開日: 2021-01-27  

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