研究課題
基盤研究(C)
本研究では,多数のスピーカ上を走査する音源の流動によって避難者に避難方向を認識させる機能の実現を目指して,走査音響刺激の位置・走査方向認識特性と走査音響刺激への追従特性について,実験に基づいて評価した.走査音源の走査方向定位や走査音源への追従に影響する要因として,音源種別,走査時間間隔,走査速度,環境騒音レベル,スピーカの指向性の程度を特定し,その影響の程度を明らかにした.
社会信頼性,安全性
火災などの災害時には,安全確保のために屋外への迅速な避難が不可欠である.本研究では,広大化する地下街やオフィスフロアで,効率的に避難誘導を行う方法として走査音源を用いた避難誘導の有効性について明らかにした.災害時の環境変化を考慮すると,現状の避難誘導灯や非常口灯を参照した避難者自身の避難に加えて,積極的に避難経路を提供することが求められる.本研究では実際に走査音源に追従する実験を通して,積極的避難誘導の一つの方法として走査音源による避難誘導の利用可能性を確認できた.