研究課題/領域番号 |
19K04939
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
川原 秀夫 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80300622)
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研究分担者 |
笹 健児 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (10360330)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 冷凍・冷蔵コンテナ / ドレン / 熱流動 / 貨物損傷 / 日射 / 温度 |
研究実績の概要 |
近年,冷凍機の性能及び振動に対する安定性が向上し,海上輸送中においても機器故障によるコンテナ貨物の損傷件数は船会社にて荷役作業時のコンテナをより丁寧に取り扱う等にて減少傾向にある.一方,初歩的な保守や整備の不良,人為的な管理ミスによる貨物の損傷事故については未だ改善が見られない.本研究では,船の揺れや傾斜及び人為的なミスにて発生する冷凍・冷蔵コンテナでのドレンの排出不良,空気の流入・流出による貨物損傷に注目した. 本研究により以下のことがわかった.先ず,実際の輸送現場にて関係者を対象とした現地調査を実施し,冷凍・冷蔵コンテナの管理にて現場での詳細な問題点および望まれる対策について検討した.その結果,冷凍機の本体に生じるハード上の問題点,陸上輸送では見られない海上輸送の特有の問題点,保守・運転管理のミスによる問題点について整理することができた.またその原因の中で,コンテナ周囲の環境変化とドレン排水口の開閉状態がコンテナ内の温湿度変化に与える影響についても検討した.再現実験では,ドレンの排水口を閉鎖し,4箇所の排水口の開閉状態を変化させた場合における庫内の温度変化,排水口からの冷気の流出量,外気の流入量を計測し,貨物の損傷程度を定量的に把握した.さらに,現在行っている中国~欧州の定期航路における20,000個積みコンテナ船に日射量計および温湿度計を設置し,航海中における外気状況の時空間スケールにおける変化を連続計測する実船実験を行っている.ここで得られる外気条件の時空間における非定常変化を境界条件として取り込み,冷凍・冷蔵コンテナについて船の揺れや傾斜にてドレンが庫内から排出されない場合や人為的ミスで排水口を閉め忘れた場合などドレン排水口の開閉状態が庫内の熱流動に与える数値的な知見をえることができた.
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