研究課題/領域番号 |
19K04959
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
河村 進一 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (70315224)
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研究分担者 |
有尾 一郎 広島大学, 工学研究科, 助教 (50249827)
黒川 岳司 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 准教授 (50325148)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 橋梁 / 洪水 / 被災メカニズム / 数値流体解析 / 3Dレーザースキャナ / レーザー加工機 / 水槽実験 |
研究実績の概要 |
本研究は,平成30年7月豪雨災害における広島市及び呉市内の被災橋梁の緊急調査結果と追加の調査をもとに被害の分析を行い,構造(橋)-流体(水)の連成系として被害発生メカニズムを解明し,橋梁被害を防止・低減しようとするものである。 橋梁周りの流れ解析用の3Dモデル構築のために,3Dレーザースキャナによる橋梁周辺の地形の3次元計測と橋梁の細部形状計測方法について検討を行った。できるだけ河川内にレーザースキャナを設置せず,橋梁周辺の道路の歩道等から計測することを原則とし,安全に配慮しながら所要の精度を確保する計測方法を設定した。レーザースキャナの設置位置呉市内の4つの橋梁において計測実験を行い,橋脚-橋桁-河川の点群モデル作成手法を確立した。 数値流体解析による橋梁周辺流れを行うために,OpenFOAMによる数値流体解析プログラムのカスタマイズを行った。研究代表者の所有するプログラムでは,風による橋桁周辺流れを対象としたものであったため,洪水流の水面を表現できる界面捕獲法(VOF法)を追加して気液二相流での解析プログラムを作成し,長方形断面水路に長方形断面の橋桁を配置した単純なモデルを用いた解析を行った。 水槽実験による流速の評価を行うために,平成30年7月豪雨で被災した橋梁の現地調査結果を基にしたFEM構造解析モデルを使用し,3D-CADモデルからレーザー加工用の図面作成を行った。レーザー加を工機でアクリル板を切り出して積層する形で,橋桁,橋脚および河川護岸形状の模型製作を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が公務災害により負傷し,7月~9月に手術・入院したことにより,10月からは仕事に復帰したものの研究当初から遅れがあった。 2019年度の遅れは2020年2月~2020年4月で,ある程度吸収可能と考えていたが,新型コロナウイルス感染症の影響により,2月下旬以降に風邪症状による休暇や在宅勤務等が多くなり,思うように研究を進めることができなかった。 以上2点の理由により,2019年度当初の研究計画に対して6割程度の進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年5月まで在宅勤務が続いたが,2020年6月からは研究活動を再開できるようになった。 2019年度の研究計画で未実施の内容を2020年6月~8月の3か月程度で実施し,2020年9月~2021年3月に当初の2020年度計画の内容で実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
呉工業高等専門学校で所有する3Dレーザースキャナを学内共同利用可能となったため,当初購入予定であった3Dレーザースキャナをレンタルして性能を比較した。当初購入予定であった機種よりも,学内共同利用可能となった3Dレーザースキャナのほうが高機能かつ安価に使用できることから,今後の研究遂行においては学内共同利用の機種を使用することとした。年度内にその機種を使用するためのソフトウェアを購入する予定であったが,コロナウイルス感染症の影響などによる研究計画の遅れから,次年度に関連ソフトウェアを購入する予定である。
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