研究課題/領域番号 |
19K04962
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
市野 宏嘉 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (70760982)
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研究分担者 |
藤掛 一典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (10532799)
山口 信 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80570746)
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 爆破テロ / 接触爆発 / 近接爆発 / 鋼 / コンクリート / ポリウレア樹脂 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、爆発災害による被害を低減するための橋梁部材の耐爆補強法を提案することである。本研究では、通常の設計荷重でとしては想定されてこなかった接触・近接爆発による橋梁部材の局所的な破壊について実験的に調べ、使用性や景観をできるだけ損ねずに爆発災害に対応し得る補強法についての検討を行い、技術的な提案を行うものである。 橋梁の主要な材料である鋼材に対しては、最初に特段の耐爆の処置を行わない場合での局所的な破壊とその過程を接触爆発実験により把握した。この実験では、爆発後の鋼材の破面に対する微視的観察、鋼材内部の状態の観察から、スポールによる脆性的な破壊に引き続き、せん断や引き裂きによる延・脆性的な破壊で鋼材が破断に至ったことが明らかとなった。この実験の結果から、接触爆発による鋼材の破断限界となる断面積、板厚および爆薬量の条件を定式化した。さらに、鋼材をごく薄い材料で被覆して同様の実験を行ったところ、爆発による鋼材の損傷が顕著に低減され、今後の耐爆補強法の確立に向けての資を得ることができた。 同じく橋梁の主要な材料であるコンクリートに対しては、すでにその局所的な破壊の機構についての研究が報告されていることから、本研究では補強法の効果の検証とその評価を主として検討を行った。補強方法としては、既存構造物への適用が可能な樹脂吹付による方法を採用した。樹脂を塗布した板状のコンクリートに対して接触爆発実験を行ったところ、樹脂を塗布しないものと比較して、より大きな規模の爆発に対しても爆発による破片の飛散が防止できた。ある規模の爆発に対して、そのような破片の飛散を防止し得る板(版)厚、樹脂塗膜の厚さとの関係を評価する式を提案した。最終年度には、爆薬が部材からわずかに離れた位置で爆発した場合を想定した近接爆発実験を行い、樹脂による補強効果とその評価について同様の検討を行った。
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