土砂災害の減災のために土石流の発生場所や発生時刻の予測は重要である。多くの場所に適用可能な統計則を確立するためには、複数災害の土砂移動分布図に基づく比較研究が不可欠である。本研究は、この図を約10年整備・蓄積してきた研究代表者の所属する防災科学技術研究所ならではの研究であると考えられる。また、地形量と雨量をパラメータとして大量のデータを元に確率的に土石流到達を評価できた点は斬新であると考えられる。ただし、地質(地盤)・気候・植生などの要因を含めた確率的評価には至っておらず今後の課題として残った。
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