本研究は、液体金属中の拡散係数の高精度予測式を確立することを目的として、シアーセル法と安定密度配置により対流抑制した実験を行い,主に以下の知見を得た。原子半径の温度依存性を、Protopapasの式、モル体積、および散乱回折実験から取得し、溶質に対する溶媒の原子半径比を使用して、不純物拡散係数を算出できる。溶媒融点付近において、溶質に対する溶媒の原子半径比がおよそ1より小さい範囲で、不純物拡散係数は、溶媒の自己拡散係数に、原子半径比、原子量比のn乗(Sn液体の場合0.119)を乗じた値として予測できる。原子半径比がこれより大きい範囲では、溶媒の自己拡散係数と同等として予測できる。
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