火山のマグマ,鉄鋼製錬のスラグやガラス融体はいずれもSiO2を主成分とする酸化物融体であり,その熱力学的性質は地球科学から材料工学に渡り幅広く応用できる可能性を持っている.近年,相平衡データに基づくCALPHAD法の解析が進展し,多成分系ケイ酸塩メルトの熱力学量が定式化されるようになった.本研究は熱力学データベースの汎用的な応用の可能性を検討し,現段階ではガラスの化学的耐久性とAl2O3を含まないメルトのガラス形成能の評価に適用することができることを見出した.熱力学データベースは高温プロセス産業のさまざまな工程に関わる予測精度を向上させることができる可能性があることが示された.
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