研究課題
基盤研究(C)
本研究では、高性能フェライト磁石に添加されているCoを有効に磁気異方性向上に寄与させるためのサイト選択性制御手法について検討した。一つは非磁性カチオンサイトのサイズによるサイト選択性について検討を行い、サイズが小さいほどCoが磁気異方性を向上させるサイトへの指向性が上がることをDFT計算から見出し、また実験的な検証を行った。もう一つは、Coと合わせて他の遷移金属の追加置換効果を検討し、Mnの追加置換が磁気異方性向上に有効であることを見出した。
無機固体化学
フェライト磁石の母材であるM型フェライトは、典型的な多席化合物で、元素置換を行った際にはその置換サイトにより発現する機能が異なる。工業的は、性能向上のために元素置換を網羅的に行い、好ましい性能を有するものが選択されているが、その機構については未解明のものが多い。本研究は元素置換が性能をどの様に変化させるのかを基礎的な立場から検討し、その機構を解明することで、さらに性能を向上させるための指針を提供している。