VO2の結晶転移温度(Vt)は、67℃であり、この変化は揮発性である。VO2を調光窓に応用した場合、67℃という温度では、人の生活温度に比べ高すぎる。また揮発性は、電気メモリーに応用した場合、デバイスを67℃以上に保持しないと、データが消去されてしまう。こういった短所を改良するため、添加物などでVt制御を試みる研究がされてきた。我々は、添加物などでなく、相変化材料の相変化に伴う体積収縮によってVO2に応力印加し、Vt制御が可能なのではと考え研究を進めた。VO2と相変化材料の複合化は、世界で初めての試みであり、実現すれば、赤外線を30-40℃で自動に遮断する窓材などに応用が可能となる。
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