ダイヤモンドは適切な不純物元素をドーピングすることにより半導体として振る舞う。ダイヤモンド半導体は特に,高温や放射線環境において正常に作動する半導体素子として期待されている。反面,イオン注入を用いてダイヤモンドに局所的ドーピングを行うと,アモルファス化が起こることが問題となっている。本研究の成果は,ダイヤモンド表面にフェムト秒レーザー照射を行って改質を導入し,その後にイオン注入を行えば,アモルファス化を起こさずに高濃度のイオン注入を行えることを示したものであり,ダイヤモンド半導体素子の実用化に向けて意義のある成果が得られたと考えている。
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