| 研究課題/領域番号 |
19K05052
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| 研究機関 | 秋田大学 |
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研究代表者 |
小玉 展宏 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (90282152)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 自己束縛励起子 / ２次元励起子 / 構造変調 / 組成的不規則性 / 層内閉じ込め / 複合アニオン化合物 / 真空紫外分光 / 高エネルギー光励起発光 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、オキソアニオン基をもつ複合イオン化合物について、EUV-VUVの広帯域の高エネルギー光によるバンド間励起で生じる自己束縛励起子(STE)の生成と発光特性と構造2次元性あるいは構造変調、層内閉じ込めとの相関の知見をえることを目的とした。
(1)層状アルミン酸ケイ酸塩の一種であるメリライト型結晶のうち組成的構造不規則性を持つ結晶群に対して、極端紫外-真空紫外励起でのSTEによる固有発光特性と構造２次元性およに不規則性との相関を調べた。STE発光は、構造2次元性が高いくなるに従い強くなる、また組成的不規則性が大きくなると強い発光を示し不均一幅も大きくなることを明らかにした。強度の増大はSTEの2次元性による振動子強度の増大、バンド幅の増大は、イオン半径差のメリライト固溶体において組成的不規則性に大きな影響を受け、格子歪みが起こりやすくSTEの生成しやすい四面体サイトが増加した結果であるという知見を得た。加えて、構造変調を伴うメリライト鉱物では、STEの強度変化が2次元性よりも、不整合変調の振幅増大に伴うSTE形成する異なる局在サイトの増加に起因することを示唆した。
(2)層内で異なるアニオンからなる2次元層をもつ複合アニオン化合物の2次元性層状物質フルオロベリリウムホウ酸群で、層内でのSTE形成と固有発光特性に対する層間変化に伴う2次元性あるいはアニオン配位子の異なる多面体によるSTEの層内閉じ込め効果を調べた。その結果、カチオンが異なるフルオロベリリウムホウ酸塩結晶BaMgBe2(BO3)2F2(BMBF)とBaCaBe2(BO3)2F2(BCBF)について、STEによる固有発光んは構造２次元性に加え、同程度の2次元性をもつ層状ホウ酸塩の強度との比較から(BO3)2-基が (BeO3F)5-基に囲まれた構造でSTEの閉じ込めによる発光の増大の可能性を見出した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和２年度計画していた研究計画(3つの課題：新規2次元結晶の合成と構造評価高エネルギー高励起による固有発光と構造相関（２次元性と構造変調、構造不規則性）、新規層状複合アニオン化合物における層内励起子の閉じ込め効果に関する仮説の実証と高エネルギー光励起で目的とする発光特性の発現に関して、予定していた国の研究機関の大型装置を利用して実施、必要な分光装置の設置をすることで、概ね当初の予定通り順調に進展させることができた。その成果の一部は、国内学会で発表し、国際学術雑誌に投稿の準備に着手し、その成果を国内・国外でで発表することを予定している。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究が順調に進み、令和3年度には計画した研究目的の達成は可能で、年度内に成果を論文にまとめ投稿し公表する予定である。
(1)自己束縛励起子(STE)発光特性への2次元性・構造変調効果・組成的不規則性との相関の解明 : ２年度までに得た高い2次元性層状結晶/変調構造・構造不規則系材料について、高エネルギー光励起でのSTEの多重生成を明らかにする。極端紫外-真空紫外の高エネルギー光励起でのSTEの２次元層閉じ込めや局在サイト数増大(高強度発光)に対する層間拡大による2次元性増大と構造変調・不規則性効果を明らかにする。
(2)複合アニオン化合物での異なる配位子をもつ層構造でSTE発光に寄与するSTEの層内閉じ込め効果を明らかにする。
(3)STEからのエネルギー移動(励起子増感)による希土類発光の短寿命化による新規材料の創製 : エネルギー移動速度と発光寿命に与える弱結晶場効果を明らかし、2次元性または超構造(変調構造)により遷移確率を高めて発光の短寿命化(~10ns)が実現できる新規材料を創製する。高い2次元性あるいは構造変調、不規則性をもつオキソアニオン複合イオン化合物の創製と高エネルギー光検出器への展開、最適な2次元系または構造変調を有する新規層状複合イオン結晶を用いた極端紫外・軟X線～真空紫外)の広帯域高エネルギー光の高速・高時間分解能の紫外/可視発光波長変換材料を創製、高エネルギー光検出器の開発を目指す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
サンプル合成のための原料購入
光学部品の購入
学会参加費
に使用「
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