難燃性の超軽量高強度耐熱マグネシウムを,新規な高温材料強化機構を利用することにより開発した。層間隔が900 nmと微細なMg-Ca系ラメラ合金を創成し,高温構造用材料としての使用にあたり必要となる学術的知見について調査を行った。開発合金中の微細ラメラ組織が,熱的に安定となる温度領域は573 K以下であり,これを超えると組織は粗大化する。微細ラメラ組織を有する本合金を473 Kにてクリープ試験すると,ラメラ層間隔が小さいほど最小クリープ速度が低くなる。異相界面は高温強度の向上に有効に作用し,クリープ強化因子とみなすことができる。本合金のクリープ変形は,転位の上昇運動に律速することが明確になった。
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