研究課題
2021年度も微細分散・配向化が顕著な「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金を用いて、NdCu共晶相が液相状態、Nd2Fe14B相が固相状態におけるNd2Fe14B相の微細分散・配向化の理論実証及び計算値導出を主に実施、さらには保磁力に大きな影響を及ぼした液相中に晶出する特異な結晶相の同定作業を行った。微細分散・配向化の理論実証及び計算値導出では、固相を破壊、微細分散化させるアルミナ管への衝突エネルギーは1cJ/回と非常に小さい事を見出すことが出来た。また、低周波と高周波の2ステップの電磁振動を印加せずとも、破砕時に衝突後、再移動するまでの待機時間が短い750Hzの電磁振動では1ステップにて異方性鋳造ネオジム磁石が作製出来る事を見出した。また、保磁力に大きな影響を与えた液相中に晶出する化合物は、単純立方格子に近い構造をもつネオジムと鉄と銅と炭素の4元化合物であることを突き止めた。研究期間全体を通しての成果としては、この様な鋳造のみによる異方性ネオジム磁石の作製は世界初であり、重希土類金属不使用で、残留磁化:0.8T、保磁力:1.0T程度の特性を出す事ができ、市販の異方性ネオジムボンド磁石並みの磁石と同等の特性が実現可能であることを見出した。さらに固相のネオジム磁石相は非常に小さいエネルギーにて破砕する事が出来る事から様々なセミソリッドプロセスによる異方性磁石化が可能になる可能性を見出すことが出来た。
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