研究課題/領域番号 |
19K05077
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
國峯 崇裕 金沢大学, 機械工学系, 助教 (90612705)
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研究分担者 |
山下 順広 石川県工業試験場, 機械金属部, 専門研究員 (60592607)
舟田 義則 石川県工業試験場, 機械金属部, 主任研究員 (80504729)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レーザ粉体肉盛法 / 指向性エネルギー堆積法 / 積層造形 / 超硬合金 / 超微粒子 / ナノ粒子 / 造粒粉末 / 微細組織制御 |
研究実績の概要 |
基材上にマルチレーザ式指向性エネルギー堆積(Multi-beam LDED)法によって種々のタングステンカーバイド(WC)粒子径からなるWC-12mass%Co造粒粉を造形した.WC-Co 造粒粉中のWC 公称一次粒子径はそれぞれ0.7,1,6 マイクロメートルの3種類を使用した.Multi-beam LDEDのレーザ加工条件の1つとしてレーザ集光位置を変化させ,これが造形層の微細組織に及ぼす影響を調べた.レーザ焦点位置を基材上の0 mm,または基材上方に0.5 mmオーバーフォーカスした2条件について造形した.走査型電子顕微鏡を用いて造形層の微細組織を観察し,レーザ加工後のWC粒子径を測定した.造形層のWC粒子径は,粉末時の3種類のどのWC一次粒子径よりも大きく,レーザ加工によるWCの粒成長が確認された.WC-Co造粒粉中のWC一次粒子径によって,造形層の微細組織及び硬度は大きく変化し,小さなサイズのWC一次粒子を用いると,より高い硬度を持つWC-Co造形層を造形できた.今回の条件では,硬度は1300 HV~1650 HVの範囲で変化した.またレーザ焦点位置がジャストフォーカスの場合は,粉末の上昇温度がオーバーフォーカスの場合よりも低くなり,WCの粒成長が抑制された.造形層の硬度はWC 粒子径だけでなく,レーザ加工条件(焦点位置等)の変化に伴う脆性相の形成等の造形部微細組織変化に大きく影響を受けることが示された.WC粒子径及び脆性相の形成は粉末に与えられるレーザによる熱量を変化させることで制御でき,次年度以降でさらなる条件の最適化を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した予定通りにほぼ実験は進んでおり,また次年度で使用するWC 公称一次粒子径50~80,および100~140 ナノメートルの2種類のWC-Co 造粒粉もすでに作製できているため.
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今後の研究の推進方策 |
現状では研究計画通りに順調に推進できているため,次年度も引き続き当初の研究計画にそって進めて行く.次年度はWC-Co造粒粉中のWC 公称一次粒子径をナノ粒子や超微粒子にダウンサイズしたときの造形層の微細組織について調査して行く.
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