研究課題
基盤研究(C)
振動モーション付加塑性加工を対象に,塑性加工中の金型-被加工材界面の変形挙動および潤滑挙動のその場直接観察・計測に取り組み,以下の成果を得た.(1) ガラスを介して金型内部から金型-被加工材界面の一部をその場直接観察できる装置を設計・製作した.(2) 押出し鍛造中の金型-被加工材界面をその場観察し,撮影画像の輝度値の変化から潤滑油の膜厚変化を推定した.(3) 潤滑油の膜厚変化と被加工材の塑性変形挙動から,振動付加による逐次潤滑現象について,議論・考察した.
工学,塑性加工,トライボロジー
次世代塑性加工技術の一つである振動モーション付加塑性加工では,振動付加による加工現象の変化に未解明な点が多い.ガラスを介した金型-被加工材界面のその場観察・計測により,潤滑挙動を可視化したこと,撮影画像の輝度値から逐次潤滑現象を定量的に評価したことは意義がある.また高面圧下で動的な面圧変化やすべりをともなう金型-被加工材界面のその場観察・計測技術は,他の成形加工の界面にも展開可能であり,加工機構の直接的解明に有効な手法となり得る.