本研究では,Taylor理論に基づいた結晶塑性解析の結果を考慮可能な巨視的塑性理論に必要な降伏関数の提案を行った.この提案はFEM解析においてメゾ領域からマクロ領域への変形をスムーズに橋渡しすることが可能な枠組みを示している.本理論を使用した解析も実行した.アルミニウム合金を対象に85%圧下における変形集合組織の予測とその後の降伏曲面の計算を行った.変形集合組織を考慮した降伏曲面については,von Misesの降伏関数とは異なり,初期塑性異方性を有する形状になった.今後は他材料においても同様の検討を行い,本解析手法の有用性について継続して検討する予定である.
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