研究課題
基盤研究(C)
本研究は,高圧鋳造法(ダイカスト法)において,金型内に溶融金属を流入させ,加圧しながら凝固させる過程における圧力の付加プロセスのメカニズムを解明し,得られる鋳造製品の内部の空孔を最小化させるための具体的手法について検討することを目的とした.本研究により,Al-Si-Cu合金における圧力伝達が停止する固相率はおよそ70%であることを明らかにするとともに,圧力伝達時間を決定する因子である溶湯温度の推定を目的とした金型温度の予測モデルを構築できた.
生産加工
本研究における学術的意義は,固相が晶出し続けている気相を含む溶融金属の凝固進展挙動と圧力伝達の関係の解明である.この学術的問いの解明は,素形材の製造方法である高圧鋳造法(ダイカスト)における圧力の最適な制御方法の確立のための重要な指針であり,金属の相変態を活用した成形加工方法の高効率化,高度化を実現することが可能となる.