電気自動車や電気電子機器には銅をはじめとした非鉄金属が使用されており,資源を確保するためのリサイクルが重要となる.しかし,リサイクル原料は鉱石と異なる組成を有するため,既存の製錬技術をそのまま用いることはできない.とくに電気電子機器に含まれる Ag および Sb は銅の電解精製を妨げることが知られる.本研究では製錬過程におけるこれら不純物元素の挙動を明らかにするために,Ag および Sb を高濃度に含んだ銅合金の凝固組織を理解するとともに,不均一な組織を有するアノードの不動態化過程を観察し,リサイクルプロセスを開発するための基礎的な知見を得た.
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