鋳型振動法を用いて,Al合金鋳造材の結晶粒微細化に関する研究を行った.Al-Cu合金の初晶α相,Al-Si合金の初晶Siは鋳型振動の振幅および周波数の関数である加振力によって整理でき,加振力とともに結晶粒が微細化することがわかった.また,水モデル実験により,結晶核は振動により溶湯表面や鋳型近辺で発生し,それが鋳型内部を満たすために起こることを明確にした.共晶セルも振動を与えると微細化し,セルサイズも加振力の増加とともに減少するが,共晶ラメラ間隔は変化しない. さらに,鋳型振動法と接種を組み合わせることにより,結晶粒径を100μm程度まで微細化させる可能性があることを明らかにした.
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