研究課題
基盤研究(C)
パラジウム(II)(Pd(II))のみを沈殿させるフルオロピリジンとPd(II)及び白金(IV)(Pt(IV))を沈殿させるヨードピリジンの性質を、実験的、計算化学的アプローチにより検討し、ハロゲノピリジンのPd(II)/Pt(IV)間における金属選択性の発現メカニズムを研究した。メカニズム解析については、密度汎関数計算を利用し沈殿反応エネルギーを評価した。
分離化学
白金族金属の分離精製は、溶媒抽出法が主に利用されている。しかし、近年においては製品中の白金族金属濃度の低下や性能向上のための添加金属の影響により、従来の分離手法では対応できないケースが増えてきている。それ故、従来プロセスよりも簡便でありながら、極めて高い選択性でPdを分離可能な沈殿剤の開発を行った。また、高性能な沈殿剤を開発する上で、Pdと沈殿剤の反応メカニズムに関する知見は、沈殿剤の設計や分離条件の設定等において極めて重要となるため、本研究においては沈殿反応のモデリングにも取り組んだ