研究課題
基盤研究(C)
プロトン性イオン液体を新たに合成し、二酸化炭素と炭化水素との選択性について検討した結果、メタンについては商用運転中の物理吸収液よりも高い選択性を示したが、二酸化炭素とエタンやエチレンとの選択性は改善の余地が残った。得られた一連の精密な測定データに基づき、二酸化炭素分離回収プロセスの経済性を評価した結果、一般的なアミン水溶液を使用した従来プロセスと比較し、10%ほど熱負荷を低減できることが分かった。
化工物性
2050年までのカーボンニュートラル実現には新たな技術の開発が必要であり、国内外で精力的に研究が進められている。現在、イオン液体を利用した二酸化炭素の分離回収プロセスは稼働していないが、本研究で開発されたプロトン性イオン液体は、高い二酸化炭素とメタンとの選択性を示す一方で、従来プロセスよりも低い運転コストになる可能性があり、有望なガス吸収溶媒であることが示唆された。