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2021 年度 実績報告書

構造制御された前周期金属複合酸化物および固溶体酸塩基触媒の開発と活性制御因子

研究課題

研究課題/領域番号 19K05150
研究機関徳島大学

研究代表者

山本 孝  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70361756)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード酸化ジルコニウム / 銅 / エタノール転換反応 / 酸塩基 / 結晶相
研究実績の概要

昨年度までに水共存下でのエタノール転換反応について,ガリウム添加ジルコニウム固溶体触媒が723Kアセトン,イソブテン生成反応を促進することを見出しており,アセトアルデヒドから酢酸,アセトンを経てイソブテンが生成する反応経路,ガリウムイオンおよび共存する水分子の役割,触媒の固体塩基性質を明らかにしている.今年度はエタノール転換反応に対する添加元素種の検討,および水非共存下での活性試験を行った.
第四周期遷移元素による添加元素種スクリーニングを行ったところ,反応温度573 Kでは銅添加酸化ジルコニウム触媒の活性が他触媒より2倍以上高く,選択的に脱水素反応が進行した.水共存下ではアセトンが生成する過程で二酸化炭素が生成することから,以降の検討は水非共存下で行った.
高いアルコール脱水素活性を示すことを見出していた銅イオン添加酸化ジルコニウム触媒を用いたところ二酸化炭素は生成せず,アセトアルデヒドと酢酸エチルが主成分となる先行研究を再現する結果を得た.エタノールからの酢酸エチル直接合成反応はアセトアルデヒドを経由する逐次反応であると認識されている.銅イオン添加酸化ジルコニウムの触媒性能を酢酸エチル収率に加えて選択性の指標として酢酸エチル/(ブチルアルコール+ブチルアルデヒド類)の生成物比により評価したところ,生成物比は担体結晶相より異なっていた.この生成物選択性は添加量とは相関性はなく非晶質>正方晶(立方晶)系>単斜晶系であり,単斜晶系担体が最適であるとする先行研究とは異なることを見出した.活性試験前の触媒に含まれる銅種は二価であり,表面密度が高いとCuO結晶が存在する.活性試験後には単斜晶,正方晶担体上の銅種は金属へ大半が還元されるが,非晶質担体では約半分が二価種として残存していた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ethanol conversion over Ga2O3-ZrO2 solid solution: empirical evidence of the reaction pathway, the surface acid-base properties, and the role of gallium ions2021

    • 著者名/発表者名
      Takashi Yamamoto, Akihito Kurimoto, Riona Sato, Shoki Katata, Hirotaka Mine, Naoto Tanima and Ryota Kamata
    • 雑誌名

      Catalysis Science and Technology

      巻: 11 ページ: 2047~2056

    • DOI

      10.1039/D0CY02271C

    • 査読あり
  • [学会発表] 種々の酸化ジルコニウム担持銅触媒によるエタノールからの直接酢酸エチル合成2021

    • 著者名/発表者名
      峰 広嵩, 片田 将生, 山本 孝
    • 学会等名
      第12回触媒科学研究発表会
  • [学会発表] 担持銅触媒によるエタノールからの直接酢酸エチル合成における担体ジルコニア結晶相の影響2021

    • 著者名/発表者名
      峰 広嵩, 片田 将生, 山本 孝
    • 学会等名
      第128回触媒討論会
  • [図書] 金属イオン添加酸化ジルコニウム「固体表面キャラクタリゼーション 機能性材料・ナノマテリアルのためのスペクトロスコピー 第16章13節」2022

    • 著者名/発表者名
      山本孝
    • 総ページ数
      246-247
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      978-4-06-526126-2

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公開日: 2022-12-28  

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