研究成果の概要 |
メラミンを焼成して合成される層状窒化炭素は,メレムポリマー鎖同士が水素結合により2次元的に連結した構造体が積層し,比表面積が 8.2 m2/g と非常に小さく,触媒反応に適用しにくい欠点があった.筆者らは,層状窒化炭素をまず濃硫酸中に懸濁させ,次にアルカリ水,アルコールによる連続処理で得られた窒化炭素素材は,180 m2/gの比表面積を有することを見出し,ナノ多孔質窒化炭素(nano-C3N4)と名付けた. このnano-C3N4は水に溶解せず,その固体塩基触媒能力を,1)H2O中でのニトロメタンとアルデヒドとのニトロアルドール反応,2)D2O中でのニトロメタンの重水素化反応で評価した.
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