ナノスケールで結晶サイズ・外形が制御されたPCP/MOF結晶において特異な物性変化が現れることを実証した。具体的には、従来は熱的に安定な結晶相を示すと考えられてきたPCP/MOF結晶について、結晶サイズのナノサイズ化に伴って前例のない熱的結晶相転移が現れることを見出した。また、結晶のナノサイズ化は結晶内部の細孔空間に閉じ込められた分子の物性に与える影響も顕著であった。ゲスト分子として蛍光色素を包接した色素包接ナノ結晶では、固体状態においても高い蛍光量子収率を示すことを明らかにした。さらに、包接された蛍光色素とナノ結晶表面に吸着した色素の間のエネルギー移動効率にもナノサイズ化の影響が見られた。
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