研究課題/領域番号 |
19K05208
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 祐 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90566027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / MRI / 造影剤 |
研究実績の概要 |
本課題では、申請者らが開発した生体適合性ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤について、その性能の深化を目指し、種々の粒径・表面修飾および組成におけるプロトン緩和機構を NMR および MRI を用いて詳細に解析するとともに、得られた知見とこれまでの報告を比較することで、ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤のプロトン緩和能について、高性能化への新たな指針を見出し、動物実験によってその効果を検証する。最終的には、細胞単位での MRI 検出を可能にする新規造影剤を創製し、細胞の動きや病態メカニズム解明へ向けたツールとしての利用を目指すことを目的としている。 2019 年度においては、各種ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤の合成を実施した。具体的には、酸化ガドリニウムおよびリン酸ガドリニウムナノ粒子を含有するナノ粒子型 MRI 造影剤について、種々の粒径を有する造影剤を合成した。これらの粒子について、粒径・表面電位、TEM 観察等による物性確認をするとともに、NMR および MRI 測定を行い、造影剤と水分子との相互作用状態についての再現性を確認することができた。すなわち、様々な粒径および表面官能基を有する Gd-MRI 造影剤を合成し、17O-NMR および NMRD 測定、MRI による T1 および T2 短縮能測定を行った結果、臨床用造影剤より優れた造影能を持つことを確認した。引き続き、造影剤と水分子との相互作用状態を定量的に明らかにする。また、細胞および動物を用いて、造影剤の毒性、体内動態および腫瘍集積性についても評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤の合成および NMR / MRI 測定は順調に実施し、造影剤と水分子との相互作用状態の測定を実施しているものの、細胞および動物を用いた造影剤の毒性、体内動態および腫瘍集積性についての評価に至っておらず、当初計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究環境が激変する中、細胞および動物を用いた長期実験を実施することは困難を生じているが、可能な時期に引き続き実験を実施し、新たな知見を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
ナノ粒子造影剤合成および評価を実施するために物品費を使用し、情報収集のために旅費およびその他経費を使用したが、当初計画の細胞および動物実験に関して、必要な消耗品の購入は行ったものの実施に至らず、次年度使用額が生じた。来年度、引き続いて細胞および動物を用いた実験を実施し、当初計画の遅れを取り戻す。
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