研究課題
本研究の目的は,小型IoT(Internet of Things)デバイスにおけるハードウェア寿命の設計技術の確立である。IoTデバイスの電子回路内ハードウェアに自壊時限を設定したマイクロ可動素子を組み込むことで,役目を終えたデバイスが自壊し,使用不能となることを目標とする。2021年度では,前年度に開発したMEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)可動配線のフォトマスクレイアウトと半導体微細加工プロセスを用いて,Ni系合金(Ni,Ni-Co)マイクロ可動配線を試作した。フォトレジストを犠牲層および電解めっきモールドに利用して,Ni系合金構造は電解めっきで形成し,所望のNi系合金厚膜めっき(約7μm)を達成した。さらに,犠牲層除去のためのドライエッチングの条件出しも行い,酸素プラズマによりフォトレジストを除去の条件を見い出した。また,MEMS自壊素子の等価回路モデル構築のため,SPICE系回路シミュレータ内に可動電極の等価回路モデルを作成した。これまでにS-N曲線は未評価であるが,本研究で得た知見をもとに,めっき金属で作製したマイクロ可動構造を用いて,新たな静電型振動発電素子とその等価回路モデルを開発した。本成果により,これまで未到であったMEMS振動発電素子と電子回路をワンチップ化の見通しを得た。これにより,電解めっきを用いたMEMSと電子回路の集積化技術の新たな応用可能性を示すことができた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件) 備考 (2件)
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