研究課題/領域番号 |
19K05235
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
竹井 敏 富山県立大学, 工学部, 教授 (90580069)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レジスト / フォトリソグラフィプロセスに / 微細加工 / ホログラフィ / ホログラム / 機能性フィルム / 水溶性 / 構造色 |
研究実績の概要 |
食品偽装・医薬品偽造の拡大が世界的な問題として消費者・患者の安全や生産者の信用、品質保証、更に高付加価値食品・創薬研究を揺るがす脅威となっている。従来のリソグラフィ用パターニング材料(レジスト)は、アクリルやエステル等の非植物原料から合成され、有機溶媒で塗布して、アルカリ現像液や有機溶媒で現像するため、医薬品カプセル・錠剤とコンタミネーションが生じ、偽造防止のホログラム加工用パターン形成や構造色付与ができない問題があった。 本研究では、水で塗布し、水で現像するフォトリソグラフィ用植物由来水溶性ナノパターニング可食材料を創出し、設計指針・要素技術について研究した。初年度研究成果は、知的財産権出願2件、英語査読付き英語学術論文 2報、学会発表 8件、展示会出展 2件、及び新聞雑誌記事 2件等により公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
フォトリソグラフィ用植物由来水溶性ナノパターニング可食材料の主成分の多糖類の分子構造、化学修飾基、及びそれらの導入率の異なるサンプルを用意し、研究代表者が保有する簡易的なラボ用コンタクトアライナーにて加工評価を重ね、新たな知的財産権の申請を実施できたため。新規企業と共同研究も開始でき、本研究に関心ある社会人博士課程学生が入学し教育研究が加速するため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の有機合成に加えて、食品・医薬品カプセル・コーティング材上の塗布性やコンタミネーションの有無、可食性・毒性試験等の単膜での安全性を評価する。研究室保有の簡易型365nmコンタクト露光装置と位相シフトマスク、及びレーザー干渉露光装置を使用して、セルロース基板や医薬品カプセル・錠剤のコーティング基板上に365nm光でナノ加工を行う。SEMやSPMにより断面・表面形状を確認し、植物由来水溶性ナノパターニング可食材料のスクリーニングを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関心ある外部機関からの支援が多数あり、次年度使用額が生じたため。来年度は、材料設計の鍵となる要素の解明を加速すべく、原料試薬や加工下地基板等の物品費や外部機関との連携旅費を中心に使用する計画である。
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