放射光硬X線を用いた角度分解光電子分光実験を行うことにより,強誘電体の傾斜したバンド構造を電気分極方向をスイッチさせることで傾斜方向が変わる様子を観測することに成功した(Sci. Rep. 10, 10702 (2020),SPring-8プレスリリース2020/7/3付)。また各イオンの原子軌道のエネルギーシフト量を比較することで,強誘電性の起源となる電気分極の成り立ちについて,フォノンと電子構造の双方から議論を可能とし,新たな誘電体学理への道を切り開いた。なお,本研究は仏のグループとの共同研究により加速進展したため,R3年度国際共同研究強化(A)に申請し採択された。
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