真空紫外域の極短パルスレーザーを用いた新しい分析技術の開発の一環として、その照射装置を開発した。波長400nmの近紫外レーザーを2つに分岐し、光学ディレイをもうけ、軸外し照射 でかつ照射スポットを一部のみ重ねて照射することできるようにした。 時間差を変化させ て得られた300余個の照射痕の形状を走査型電子顕微鏡を用いて詳細に観察した。2つのビームで照射することで、単一ビームでの照射痕に見られた汚い溶融部分や、大きなデブリ粒子が見られなくなり、浅い照射痕が形成出来、単独ビーム照射時よりも、脱離体積が大幅に減少した。この結果は、レーザー脱離分析の分析分解能を向上できる可能性を示唆している。
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