研究課題
材料のビッカース硬度のような機械的な物性と、仕事関数のような電気的な物性、バンドギャップと誘電率のように通常はそれぞれ異なる分野で研究されている物性同士を、科学的な原理に基づいて結びつけた。それらの結びつきを、データベースの値や、実験データなどを用いて、様々な例で検証した。また、科学的な原理に基づく関係性を、人の手で一つ一つつなげていくのではなく、そのような科学的な原理が記述された教科書的な文書から、コンピュータによる複雑な一連の自然言語処理を用いて、自動的に物性間の関係性のネットワーク型データを作成する技術を開発した。個々の結びつきをネットワーク型データとしてつなげ、結びつきを検索できるシステムを構築した。検索には、二つの物性間を関係づける(間に入る)物性を表示させるモードと、特定の物性が他のどのような物性を関係しているかを表示されるモードがある。物性Aを向上させようと材料を変えたら、思いがけず物性Bが劣化したというような場合、物性Bが物性Aと関係しているということは想定外ということであるが、二つの物性間を関係づける物性を表示するモードにより、物性Bがどのようにして物性Aと関係しているかを示してくれる。研究ではさらに、このようなトレードオフを回避する方法を自動的にコンピュータにより見つけるためのアルゴリズムも開発した。特定の物性が他のどのような物性を関係しているかを表示されるモードは、思いもかけない物性を変化させるように材料を微調整することで、目的の物性の向上に役立つ、などの発見に役立つ。
すべて 2023
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Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
巻: 30 ページ: 291-296