本研究では,高温ラマンイメージング実験により,数種類の電極付ワイドギャップ半導体の電極界面の熱応力を非破壊で求め、FEM解析の計算結果と比較した.全ての電極付サンプルにおいて電極近傍のラマン線幅は電極遠方に対して広がっており,振動数シフトと線幅の相関から熱応力を求めることが可能であることがわかった.LOPCモードの電子物性解析を行い,GaNでは電極近傍において比抵抗が増加した.これは高温の界面熱応力により格子欠陥密度が増加したためであると考えられる.大電力PEシステムにおいて,高温動作時に熱応力に起因したワイドギャップ半導体のスイッチング損失の増加をもたらすと考えられる.
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