研究成果の概要 |
本研究ではW型屈折率分布分散制御Tm添加ファイバーを用いた,ストレッチパルスモード同期レーザーを開発し,パルス幅サブpsの4 nJ出力を達成した. またさらなる高出力化のためダブルクラッドTm:ZBLANファイバーを用いたMamyshev発振器やモード同期Tm固体レーザーの開発にも取り組み, 後者では最短パルスの発生に成功した. さらに大口径ファイバー増幅器を用いた平均出力7 W,パルスエネルギー700uJ,パルス幅42 nsのレーザー加工光源を開発し,ポリマー材料の切断・融着実験およびSi,Geウェハのステルス加工実験を行い,波長2 umパルス光源のレーザー加工データを取得した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
波長2um帯正常分散Tmファイバーを用いたストレッチパルスモード同期レーザーの開発を行いサブpsパルスを4nJのパルスエネルギーにて得ることに成功した。また固体レーザーでは最短パルスの発生に成功した。さらにナノ秒領域の平均出力7 W, エネルギー700uJ,パルス幅42 nsの高エネルギー動作は世界的に見ても高い値であり、ポリマー材料のレーザー加工やSi,Geのステルス加工実験を行えた意味は大きい。ステルス加工はSiでは1.5um帯のレーザー光を用いても可能であるが、Geは吸収を持つため難しく、我々の知る限りでは波長2 um帯パルスレーザーを用いたGeのステルス加工は初めての報告である。
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