本研究では,リアルタイムにワンショットで透明物体の位相像を観察できる顕微鏡の開発を行った.我々が開発してきたピンホール内部と外部で金属細線の方向を互いに直交させたワイヤーグリッド偏光ピンホール(WGP)を適用した点回折干渉顕微鏡(PDIM)に幾何学的位相シフトと偏光カメラを導入することでこれを実現した.偏光カメラのフレームレートである60fpsで位相像の撮影ができ,位相像の算出・表示まで逐次行う場合は12fpsでの観察が可能となった.また,偏光カメラのピクセル配列によって生じるアーティファクトについて検討し,提案の5x5画素の適切な重み分布によって,低減できることを示した.
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