研究課題/領域番号 |
19K05321
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
平井 亜紀子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (00357849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低コヒーレンス干渉 / 位相シフト法 / 厚さ計測 / タンデム型干渉計 |
研究実績の概要 |
本研究では、低コヒーレンス光を用い、両面干渉計とタンデム型干渉計の技術を組み合わせることにより、透明平行平板試料の透過光や裏面反射光の影響を除き、試料の厚さを高精度に測定する手法を開発することを目指した。 平成31年度は、タンデム型低コヒーレンス両面干渉計を設計した。両面干渉計で透明試料を測定するためには、不要な光の影響を除くために可干渉距離が短い低コヒーレンス光を用いる。しかし、両面干渉計では、可干渉距離以上の光路差を持つ光の干渉も測定しなければならない。そこで、直列に補償干渉計を接続し、補償干渉計の光路差が測定干渉計の光路差と等しくなるように調節して、両面干渉計のカメラで干渉縞画像を生成させ、その時の光路差を求める。厚さ0.5 mmの試料に対して、測定に必要な走査量を計算し、走査ステージの配置等を設計した。 また、低コヒーレンス干渉縞の包絡線のピーク位置と、位相シフト法で求められる干渉縞位相から、タンデム型干渉計全体での光路差を決定する方法を考案した。補償用干渉計の光路差を基準のレーザで測定することにより、測定用干渉計の光路差を求めることができる。波長幅の広い低コヒーレンス光に対して位相シフト法を適用する場合、波長が違うことによる位相変調誤差の影響が懸念されるが、7-step位相シフト法を適用することで、位相変調誤差が10 %でも、位相測定誤差を1 nm以下に抑えられることが分かった。まずは、点検出器を用いて実験的に検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用する低コヒーレンス光の波長帯域として可視光領域と近赤外領域が候補であったが、それぞれメリット、デメリットがあるため、決定に時間がかかり、該当する光源やカメラの選定が遅れた。現在、まず点検出器で実験的に検証中である。
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今後の研究の推進方策 |
まず点検出器で干渉縞信号を取得して原理確認実験を行い、次にカメラで干渉縞画像を取得するシステムを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用する低コヒーレンス光の波長帯域として可視光領域と近赤外領域が候補であったが、それぞれメリット、デメリットがあるため決定に時間がかかり、該当する光源やカメラの選定が遅れた。 次年度カメラを用いた干渉計の構築に使用予定である。
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