軽水炉における過酷事故緩和策である格納容器内の事前水張りによる溶融炉心冷却特性について検討を行うため,溶融炉心プール上面の固化クラスト層を模擬した伝熱面上に,水中で分散した固化デブリを模擬した発熱粒子を堆積させた沸騰形態での限界熱流束について実験を行った.その結果,粒子径が1mm以下では,既往モデルの予測と同様にCHFは粒子層の発熱量とともに単調に減少する一方,粒子径が3mm以上では,CHFは粒子層の発熱量に依存しないことが判明した.以上の結果は,格納容器内での事前水張りによる過酷事故緩和策の有効性は粒子径によって異なり,粒子径3mm以上の場合は有効な過酷事故緩和策になる可能性を示唆している.
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