研究課題/領域番号 |
19K05325
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津島 悟 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任准教授 (80312990)
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研究分担者 |
鷹尾 康一朗 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00431990)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ペプチド / ウラン / MD計算 / FMO計算 |
研究実績の概要 |
本研究では、ウランを選択的に捕捉するペプチドを工学的に分子設計し、それをナノポアシーケンサーに実際に応用することを目的としている。特にオリジナルな点として、計算機化学を多用して分子設計を行うこと、また、アクチノイド化学と生物物理学の異分野融合という今までに殆ど検討されてこなかった新分野の 開拓を目指すことが、本研究のユニークな点であり創造的な面でもある。令和元年度の研究でウラニルイオンと環状ペプチド、非環状ペプチド、カルモジュリンのEF Handの親和性を量子化学計算ならびに古典MD計算にて系統的に調べた結果、カルモジュリンのEF Handを用いることがウラニルへの親和性・選択性を高める効果をもっとも高く期待できるとの結果が得られたことから、令和2年度の研究ではカルモジュリンのEF Handの様々な亜種を用いてMD計算とFMO計算を行い、ウラニル選択性が最も高いと思われるペプチドを特定するに至った。このペプチドを注文し、実際に蛍光分光法を用いてウランとの安定化定数を求める実験を行うに至ったところである。MDおよびFMO計算にはAMBER18とABINIT-MPををそれぞれ使用した。計算は東京工業大学のスーパーコンピューターTSUBAME3.0を学内利用して行った。研究成果について、2021年12月のPACIFICHEM国際会議において発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計算化学に基づいて独自にペプチドを設計し、それによりウランへの親和性を調べる実験を行うまでに至っており、当初の計画全体の7ー8割程度はすでに達成された状況にあると言える。
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今後の研究の推進方策 |
応用にも大きな力点を置いた計画であったため、(当初の計画にある通り)今回の学術的な成果を工学的にどのように展開していけるかをしっかりと検討を行う予定である。
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